今日の朝の風景。仕事の合間にカメラを持ち出して15分間のショット。
雪がゆっくりと落ちてくる。とてもスローモーションに。フランクオーシャンのblondeというアルバムを聴いていて、音楽と風景がシンクロしてとても満ち足りた気分になった。
pink +whiteという曲のゆったりとしたメロディーに風景が入り込んだ。
フランクオーシャンはタイフーン、カトリーナで家を失っている。この歌は予期せぬ出来事や自然災害の事を歌っている。
どうやったって災害などはコントロールできない。
俺たちは飛んでどこかへと行くことは出来ないが、それでも俺たちは真実、つまり生きているという事実がある、、、
シャッターを押す。逃れる事のない現実に雪が降り積もる。印象的なフレーズを口ずさむ。
うなずくんだ。目を閉じずに。
ホワイトフェラーリという曲を聴きたくなって曲を変えた。フランクは車が大好きな男で、ホワイトフェラーリは富の象徴でもあるが、同時にここでは自分の事に例えている。16歳くらいのかつての若い頃の思い出だ。ホワイト、白のように純粋で無垢でなにをやってもイケてるフェラーリのようだった。
あの時の真っ白な過去の思い出を歌う。そしてそこから自由に歩いていくというフレーズで、この曲は終わる。
ホワイトフェラーリを聞き終えた後に、音楽を止めて、除雪を始める。幻想的な音楽と世界が吹き飛んでいく。飛んでいく雪と機械の音を黙って聞いていた。
機械を倉庫に片付けて、家に帰ろうとする。家に着くまでにゆっくり歩けば、またフランクオーシャンの曲を一曲くらいは聴ける。でもそれはやめて、静かに降る雪を眺めながら歩く事にした。
その時、静寂があたりを支配して、音は一つも聞こえなかった。