今日は土壌診断の土をとりに山を歩いた。土壌診断とは土の栄養分析みたいなもので、栄養がかたよっていると、牛の食べる牧草がうまく育たなかったりする。歩きながら、あれだけ雪があったのにな、と思う。
そんな事を毎年思うわけだが。
驚いたのだけど、雪にうっすらと足跡が残っている。これは2月28日に歩いた時の足跡だ。まさかあの時につけた足跡が残っているとは思ってもいなかった。
しかしその足跡ももう消えてなくなる。新しい季節が咲き始める。
クタクタになってドシンと地面に座った。雪解けの冷たく濡れた風が吹いていく。
名残りの風を吸い込んで吐き出した。青白く冷たく濡れたその空気は、意識をくっきりさせ透明にさせていく。キセルの柔らかな丘を聴いて、向こうの丘を眺めた。