カミさんが長男の保育園に連れて行ってる時に、次男坊と一緒に散歩した。セミの声が、止まないノイズのように響き、さまざまな鳥の鳴き声がそのノイズの中を軽やかに歌う。
風を感じて、一歳の子供が歩いていく様を眺めた。
犬を追いかけ、犬は迷惑そうに逃げて、やがてなんとかしてと俺の方に犬は寄ってきた。
ビーフジャーキーを犬に見せて、ポンと放り投げて犬は喜んでそちら側に行った。
子供は草地を歩くだけ歩いた。なにかをつぶやきながらドンドン歩いていく。セミと鳥の鳴き声と、そして風に包まれながら、つまずいて転んで、起き上がり、また歩いて行き、200メートル以上歩いたあとに、やがて泣き始めて、おれの腕の中に入った。
そのあとも今度は俺が抱きかかえながら、草地を歩いた。
かかえられてる子供は言葉にならない何かを発しながら、歩けと言っているかのように見えた。
いつものようにoneohtrixpointneverの曲をかけた。子供は一瞬泣いたが、そのあとすぐに深い眠りに入った。
今はまだ眠りの深い方向に向かって歩いているのだろう。
窓からセミと鳥の鳴き声が聞こえる。そして時折、心地よい風が流れ込んできている。
眠りの中で子供はなにを見ているのだろうか。