過去の写真から。
ここはお気に入りの場所だ。寂しい所だ。常に風が泣いていて、突き刺すような痛みを感じるような風が吹いている。
ゴミが散乱して汚れていて、なにか特別な場所とは言えないが、最果ての地というのはこんな場所だろうなと思わせる場所だ。
歩けど歩けど、辿りつくことはなく、歩いているうちに自分は彷徨っている事に気づく。カメラでも何枚も撮っているうちに、段々といたたまれなくなる。
朝日を撮りに行った時だ。海からのぼる太陽を撮りたかったが、残念ながら雲に覆われて撮れなかった。しかし昇ってから雲に隠れながらも、日の光が向こう側で海に降りている光景はとても美しかった。
砂浜から帰ろうとした時、何か白い物がふわりとゆっくり飛んでるのを見た。あれはなんだろう、こんな朝日の光が照らしている場所でふわりと浮かんでいるあの白い物は一体なんなのか。
一瞬期待してカメラを構えた。だがその真っ白なフワリと飛んでいるものは、単なるビニール袋だった。
白い鳩でも、純真な白い心の結晶でもなんでもない。単なる白いビニール袋だった。
このコロナ禍における影響は、目で見えなくとも、相当なものがあるのだと思わされた。
普通にコミニケーションをとり、普通に生活していても、突発的な強風にあおられて感情をコントロールできなくなる事もあるのだろう。
そしてそれは誰にも起きる事なのだろう。それは俺も例外ではない。
歩けば歩くだけ彷徨っているのかもしれない。
美しく飛ぶ必要はない。また勝ち抜く事は美学でもなんでもない。
どう表現していいか、どうこの駄文を終わらしていいかわからない。
神がいるなら、きっと泣いている事だろう。自分が産み落とした者が寂しい結末を迎えた事に、泣いてるのではないか。
日の光の向こう側で、ゆっくりと休んで欲しい。