仕事が終わる時に必ず夜空を確認する。星空が撮影できるかどうか。9月から10月末まではなかなか雨や曇りで、撮影できなかった。
鏡を引っ張り出して撮影するのは、ちょっと違う経験ができて楽しい。しかし秋は寒暖の差が激しく、鏡を1時間も出しておけば湿気で鏡が濡れてしまい、スタートレイルでもご覧の有り様だ。
これからはイカ釣り漁船が出て海の方角は明かりで賑やかだ。なかなか星空の撮影もうまくいかなくなる。鏡で撮ると光が乱反射してあまり綺麗な写真は撮れないだろう。
そして冬は天の川はあまり出ないので、鏡に写す事はできないだろう。だが、星空も天の川も逃げるわけではない。来年はなにができるか、どう撮ればいいか、考えながら撮りたいと思う。
写す直前に傾いた鏡。これは苦労して苦労したのに
直前に傾いて笑ってしまった。でもなんだかこの傾きが良い感じに見えてきた。
昔からだが、人付き合いが苦手だった。上手く話すとことができなかったし、教室の輪の中に入るという事の意味もよくわからず、先生にも何度となく注意された。後に発達障害があることがわかるのだけど。
この鏡を撮る時も、久々にそういう悩みがあって沈んでいた時だった。
下の手の写真は初めて鏡を使って撮った写真だ。
星の一つ一つは孤独だ。だからその光が心に届く。この鏡に手を置いてる写真は、その孤独と触れ合ってるのような気分になった。
なんだか孤立している自分が、この写真によって癒された瞬間でもあった。
俺はそんなに輝いていないだろう。そしてそんなに輝く必要もないとも思っている。
だが灯火は消したくない。ろうそくにも満たない明かりだが、まだ自分の周辺だけでも照らしたい。
少しだけ照らすだけでもこんなに星が見える。
鏡の中に映る星々を、手で撫でた。
それに気づくか気づかないで、生きる重みは少し軽くなるかもしれない。