秋の作業を終えて、機械を倉庫に入れる。機械を取り付けてる間に雪が降ってきた。
ふわりふわりと、スローモーションに綿のような雪が落ちてきた。
頭上を見ると、幾千の雪が真っ白な空からゆっくりと、涙のように。
終わった。これで冬を迎える事ができる。
機械にもたれかかり、ヘッドホンで曲をかけて瞬く間に涙が降り積もるのを見ていた。
まるで時間が止まってるかのようだ。スローモーションに落ちてくる雪を見ていると。
どこから来たのか。どこへ行くのか。風となって、水となって、雲となって、どこへ行くのか。
多くの生命が必要とするその源は、時と同時に生きている。
いつの間にか服や帽子に雪が降り積もっていた。
雪をほろい、濡れた手でヘッドホンの音を大きくした。
真っ白な音像が、雪が、優しく包んでくれた。