急いで仕事を終わらせねば。でなければ雪化粧が落ちてしまう。少しの焦りと、どうやって写真を撮ろうかとばかり考えていた。
太陽の光が眩く地に射した時から1時間もせずに雪化粧は落ちてしまう。これまで何回も何十回とも撮ってきたのだが、やはりその瞬間は撮りたい。
笹やぶを歩いた時に、思いっきり腰までぬかった。素手で脱出を試みて、もがけばもがくだけ深くぬかっていった。なんとか抜け出したが、手は寒さで痛く、凍えた。もう一枚、もう一枚と思いながら写真を撮った。気づけば15分で終わる予定がすっかり40分以上撮影していた。
雪跡に残した歩いた足跡は、行くあてもなく彷徨っているかのように見えた。
今日、爆弾低気圧が通過して北海道並びに全国で大荒れの天気になるという。そんな風には見えない美しく穏やかな朝。
儚さを伴った美しい風景の中で、あるいはこの冬の日々に生を求めて、彷徨う。