夜の足跡を追いかけて。月の光の下を歩いた次の日。
子供は足跡が自分の父親の足跡とは知らずに、なんだこの足跡は、マンダロリアンか、と少し興奮気味に歩いていく。
こう見ると結構歩いたのだな、と思う。
子供の笑い声が雪原に響いた。何故かソリは持ってこないで歩いてきた。
この日の撮れ高は、動画だった。ブログでもUPしたいのだけど、できないみたいで。午前中はもっぱら外で遊ばせる。
よほどの吹雪でない限り、外で遊びたがる。
田舎といえばスローライフというワードが踊りがちだが、正直にいえばそんな生活はない笑。毎日が格闘だ。
だが、時が止まるような感覚は明らかに多いだろう。雪原に響き渡る声は、決して遠くまでは響かないが、記憶の彼方にまで刻印される。
今日は猛吹雪に見舞わられた。雪原についた足跡は、全て消されていた。だが、どんなに消えても陽の光があたる限り、影は雪の上にのびる。
その事実はどれだけの価値があるかはわからない。だがその日伸びた植物の影は、雪原に響き渡る子供の声のように、伸びやかに雪の上に咲いていた。