寒かったが、放射冷却現象で夜空は美しく晴れ上がった。音楽好きの友達がlostgirlsというユニットがとても良いアルバムを出した、と言ってきた。
いきなり12分の曲。ハウスか、プログレかと思ったが、5分聞いた時点で虜になった。
どうやってサウンドを作るか、私達がサウンドを作りながらどうやって自分の身体とハック、シンクロさせるか、そういう事を詩的に聞き手に語りかける。
音の行方は、展開は読めないままビートが鳴り響きやがて歌いだした時に、笑いながらガッツポーズをした。
https://open.spotify.com/track/3JxmqySE0TrhskCBwyKVmt?si=oBfPq7jnRDObGHb3-9ihpQ
素晴らしい。だいたいの展開を決めて女性は自由に歌っている感じがする。
スケッチ程度の打ち合わせで、こんなにすごいアルバムを作っていたら、驚きだ。前衛的でありながらとても自由だ。こういう音楽が自分を1番刺激する。
マイルスデイヴィスのkind of blueのように、だいたいの展開だけ決めて演奏して、それなのにジャズの名盤として50年もいまだに売れ続け、愛されるレコードのように、このアルバムもまた、古くなっても新しいまま残っていく気がする。
https://open.spotify.com/album/7nX7RnOWqFF2NorZEMq7iZ?si=KbgWzuyHSUWHNvY7AqJGLw
子供が早く寝てくれて、勿論、夕食後に手際の良い妻のおかげなのだけれど、自由な時間を外に出て過ごした。オリオン座やシリウスが、冬の物語が向こうの山に消えてしまう前に、シャッターを押した。
峠はまだ雪が多く残っていた。車の中で大音量でLost girlsをかけた。
音に踊らされて、こんな所にまできてしまった。より高い所に、より星空に近づくために。
少しだけ取り戻すために。
アルバムを聞き終えて、またターンさせて一曲目から聞き始めた。
彼女の歌声は晴れやかな夜空に、その下で星を撮る者に、物語を魅せてくれた。