写真、自然、音楽、科学、が趣味

生活の風景

音楽、写真、日常を切り取る感じで。

152.波の声、森のささやきpt.1

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今日は午前中の予定をオフにして日本海側を走った。DJ  koze のアルバムを盛大に爆音でかけて、車は北へ向かう。淡いファンクとフワリとしたサイケデリア。晴れた眩しい海と緑の山の流れる風景とマッチしてとても心地良い気分だった。

 

https://open.spotify.com/track/5YzBL3vkQnp3JbeDRRSbSQ?si=yjT8qAFURbmVrheHnSGvMg&dl_branch=1

 

 

北海道は函館から2時間走ったところにある瀬棚町の日本一高いところにある灯台に久しぶりに行った。

 


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なんて事ない灯台だった。しかし近くのスッキ漁港ではヒラメをよく釣りにきていたので、夜に見えるあのライトはこのライトか、と確認できて良かった。

 

 

 


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山を登っていく最中の木々が美しく、葉と葉がかすれる音が心地良かった。

 

 

 

 


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ドライブしながら、ある事を考えていた。正確には昨日からだ。メンタリストのdaigoが生活保護者やホームレスの人々を切り捨て、猫の命の方が大事だと発言している動画が話題になっているというのを見たからだ。

正直、あまりに想像だにしない事を言ってるのを知って、自分でも驚くほどショックを受けた。

そして離婚して母子家庭をして生活保護を受けようと思っていると、泣きながら相談してきた友人や、その子供達の姿を想像した。

実際にコロナの影響で仕事をやめざるを得なかった友人や子供も知っているので、この友人達がこの情報を頼むから見ないで欲しいと思った。

 

激しい怒りに襲われてこのメンタリストだかなんだかよくわからない男を怒りを撒き散らしたく思いつつその動画を見た。

はっきり言ってあらためてみると余計にショックを受けた。こんなに損得勘定のみで話す奴が周りにいないのもあるが、理路整然と悪ブレもなく話してるのに驚きを受けつつ、コイツに倫理観で訴えても無理だ、と感じてしまった。命を損得勘定で話している以上、倫理観ではわからない。

ではどうしたら良いのか?どうやって悟すべきなのか、そして何故ダメなのかを、あらためて考える必要があると思った。

 

そんな事を思いつつ、車を走らせた。

 

 

 


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日本海側はこんな風景が続く。ゴツゴツとした岩肌の山々に美しい海。生命の源が生まれた境目にいる気分になった。

 

 


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美しい海の色合いを見ながら、波の声を聞いているうちに、昔を思い出した。大学の記念すべき入学式の時だ。朝起きて入学式の支度をしていると友達から電話がかかってきた。それは大好きなnirvanaのカートコバーンが自死したという情報だった。

頭をバットでぶん殴られた気分だった。しかしそれは予測できたことでもあった。

三月の時点でヨーロッパのどこかの国で、おそらくイタリアだったと思うが、ドラックをやり過ぎて救急車で運ばれるというのを深夜の音楽番組でやっていた。

色々と話題を振りまいていてカートは大丈夫だろうかと思いながら、そのニュースを見た時に、カートはもうダメかも知れないと思った。

そして自死したという事実に、ダメだったかと思いながら、あれだけnirvanaの音楽を愛していたにも関わらず、自分は諦め、見捨てた気分になった。

俺にとってカートは自分の内にある言いようもない怒りや憎しみや悲しみを歌で、激しいアクションで体現してる人物であり、学校の先生よりも誰よりも身近な存在であった。そのカートが死んだ。

 

入学式という新たな門出は急激に色褪せ、行くことをやめた。ただイラつくだけなのはわかっていた。浮かれたJPOPの曲を真に受けた若者達と一緒にいるのは到底無理だったし、間違えているのはわかっていたが、学校から教わる事はもう何もない、カートと匹敵するくらい魅力的な先生などいるわけもないのに、行っても意味がないと、行くのはやめた。

 

そのあとライブハウスやクラブで知り合った二つ上の女性が心配して訪ねてきて、意味のないセックスをしたのをボンヤリと憶えている。

そしてそのあとの大学生活は当然まともに出来ることがなく、休学をした。それから人間関係もめちゃくちゃになり、もう全てが嫌になってヒッチハイクをして旅をした。

 

札幌からもっと遠くへ。南へ。キャンプ用のテントを買い、リュックを背負って所持金は10万くらいでヒッチハイクをした。

 

九州の鹿児島まで行こうと思ったが予想以上に簡単に10日足らずで鹿児島まで行けた。

もっと苦労して一ヶ月以上かけてと想像していたのに、人の親切のおかげであまりに苦労もなく鹿児島まで行けてしまったのだ。

 

拍子抜けをしながらも感動もしていた。社会も日本も世界もクソで、全部滅べばいいと思っていたが、手を上げれば30分もすればクルマやトラックは止まってくれて笑顔で受け入れてくれて、あるいは目的地までは車に乗せられないけど、これを食べてと弁当を差し入れしてくれたり、飲み物をくれたり、本当に優しい人々が多くて、自分が予想していたとは別の世界がそこにあって助けてくれたという事実が本当に嬉しく、涙が出るくらい感動したのだ。

 

その経験が俺自身を前向きにさせてくれた。

 

そんな昔のことを、波の声を聞きながら思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 


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道沿いの家の家族がここで夕食でも食べたのだろう、面白い事をするもんだと思った。

 

 


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目的地の斎藤商店へ到着した。この建物は手作りで鮭を干して鮭トバにするヤグラだ。とてもお気に入りの風景だ。そしてそこから2キロあたりにカキ小屋があり、そこで昼食を食べることにした。

 

 


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久しぶりの贅沢。とても美味しかった。身も心も充実感を覚えつつ、外に出た。

 

 

 


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大きな風車が大きな音をたててまわっていた。

波の声を聞こえないくらいの大きさで。ここには用がないと早々に立ち去ることにした。

 

 


車を走らせながら、海を見つつ、ずいぶん遠くまできたな、と実感した。