朝の風景。ゆっくり歩きながら空気を吸い込む。冷気を含んだ空気を大きく吸い込み、もう少しで冬が来るという事を実感する。
もう冬はそこまで来ている。
犬がトコトコついてきた。牛を追う時は得意げについて来て牛を追う。だがどこに追っていいかわからず、吠えてあちこちに牛を追いたてて俺に注意されるw。それでもやはり義務感があるのだろう、ついてきて追い立てる。
広大な敷地面積なので、俺がご主人だという事を教え込んだあとは放し飼いにしておく。
一度勝手に山に入り込み、一日いなかった時がある。次の日に牛舎に行くと泥だらけでクタクタに寝込んでいた。山の奥深くに行き、音は林に吸収され臭いは雨のせいで消えてしまい山の中で迷ってしまったのだろう。こうなると命は絶たれる。
森や自然は美しく多くを与えてくれるし、それを人間は享受するが、森の中は、少なくともそこに住む生物はお互いが出会わぬ様に息を潜めている。
森の中にも暗黒はあり、暗黒によって支配されているというのが実体だ。そこにノコノコと自然から切り離された生物が何も知らず行けば、たとえ強かろうとも3日も経てば生贄でしかない。
以後、犬は敷地内から出る事はなく、山に行く時も俺が行かない限り、入る事はない。そして俺が山に行く時は喜んでついてきてどこまでも探索する。
今気づいたけど、犬の事を書いた事がなかったな。
犬の隣に座って犬を撫でると、犬は身体をあずけてきた。
朝が始まる。
テイラーマクファーリンの曲を聴きながら、犬と同じ風景を見た。
朝の光が多くを照らし、少しずつ風が吹き始めた。
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