今回は正月を過ごすために、オススメの配信されているドラマを紹介いたします。
NetflixにしてもU-NEXTやAmazonプライムにしても加入しても何を見ていいかわからないという人が多いみたいなんで、ちょっとでも面白いドラマを紹介できればな〜と思っています。
動画配信サービスは映画ではなく、あくまでドラマが中心としたコンテンツになっているので、ドラマを見てないでいるのはもったいないです。
YouTubeとか見てもNetflix、U-NEXTなんかでオススメの映画はあってもドラマに関しては全くなかったのでちょっと思い立って書いてみたいと思います。
基本的に海外ドラマ/アメリカで制作されたドラマを中心として書いていきますが、ここ最近の傾向を先に紹介したいと思います。
まずはアメリカのドラマの変化です。ここ10年前までは白人が主人公である事が当たり前でした。しかしこれからアメリカ人口はアジア、ヒスパニック、黒人の割合が白人よりも増えていくので、白人を主人公のドラマよりも有色人種のドラマが制作される事が多くなりました。
そして白人の作り上げた資本主義社会の終焉と宗教的価値観が終わる事を、示唆するドラマが増えました。この三年はそれが顕著に現れています。
その代表例として挙げられるのが今年エミー賞の最優秀作品賞を受賞したサクセッションとホワイトロータスでしょう。
この二作品はいずれも時代の終わりを告げているドラマと言っていいと思います。
そして韓国で制作されたドラマ、イカゲームですね。こちらは5話まで見て個人的そこまで面白くなかったのでw、やめてしまいましたがこれも大きなトピックだと思います。
アメリカだけでなく世界的に配信サービスがどこでも見れるようになり、こうなるとアジア、アフリカ、ラテンアメリカの方が人口割合ではヨーロッパやアメリカの人口を圧倒するので、有色人種が主人公になるのは当たり前になってきます。
今期話題になったAmazonプライムで配信されたロードオブザリング、力の指輪で例えてみましょう。一話目のネタバレを含みますので注意してください。
世界の均衡を保っているエルフは最終的には光の国で永遠の命が約束されます。ある任務を終えてついに光の国に行こうとするのですが、任務を果たせなかった事に主人公のガラドリエルは船から飛び降りて再び地上に戻りサウロンという悪の敵を探そうとします。
光の国というのはキリスト教の価値観でいう天国ですね。そしてエルフというのはこれまで世界の中心として、世界の社会構造を作り上げた白人とも言える。
その白人が作り上げた時代が終焉を迎えるという事を示唆しているんですね。それに対してガラドリエルはたとえ終わっても、私達はまだ世界と仲良くできるし、しなければいけないと現実に戻るという事です。
他にもストーリー内ではエルフの住む場所の木が枯れていくシーンがあったりしましたが、これもある一つの時代が終わったという事を示唆してるのでしょう。
一部、エルフは白人だけのはずなのに黒人がいるのはおかしいという批判もあったみたいですが、これはキリスト教を信じてる黒人という事を表しているわけです。まー、ぶっちゃけ白人のみで構築した世界観だと間違いなく見られなくなるのは必然だからというビジネス的な側面もあったと思います。
10年後に批判してる人も同じ事を言ってる人は少なくなると思います。これから先は有色人種の主人公がドラマになるケースが増える一方ですから。
他にもディズニーで配信されてるdevsというドラマも同じような例として挙げられます。全8話のドラマでサクッと見れますが、こちらは量子もつれを研究した学者が今年のノーベル物理学賞を受賞しましたが、その量子もつれとEPRパラドックスをテーマにしつつ、かつてネイティブアメリカンの人々が暮らしていた草原に白人が黄金の城を築き、今度は有色人種がそこに住むようになるという事を示唆してるドラマがあります。
ドラマ内で路上生活してる白人男性が朝帰りする主人公アジア系アメリカ人女性に今のうちにせいぜい楽しみな、というセリフがありますが、これからはアンタら有色人種の時代だからせいぜい楽しみなさい、という事ですね。こちらのdevsという作品も万人向けではないですが、かなり好きな作品でした。
U-NEXTオススメのドラマ。
それではオススメを紹介していきたいと思います。今回はU-NEXTとNetflixを中心に紹介していきます。
U-NEXTは一か月料金は高いですが、ポイントがはいりそのポイントで映画館チケットに交換できたり買い物も一部できるので結構お得だと思います。
またライムスター宇多丸のアフターシックスジャンクションというラジオ番組でHBOというドラマ制作会社の特集をやっていましたが、このHBOにクリエイターはドラマの企画を持って行って断られたらNetflixやAmazonプライムに企画を持っていくと言われてるくらい話題作が多いのです。
事実、映画のアカデミー賞にあたるドラマ版のエミー賞では圧倒的にHBO制作のドラマが受賞していますし、間違いなく2010年代のドラマの中で最も人気を博したドラマはゲームオブスローンズでしょう。この作品によって一気に配信サービスの需要が高まり、いまだに世界的に見られるドラマでは上位に食い込んでいるようです。
そのHBO制作ドラマを独占配信してるのがU-NEXTなんですね。とにかく面白いドラマが多いです。
1位ハウスオブドラゴン
子供視聴厳禁。残酷描写あり。これはゲームオブスローンズの前日譚、エピソード0にあたります。自分はゲームオブスローンズが大好きでこの作品は待ちに待った作品でした。
初回の配信日はアクセスが殺到してサーバーがダウンしたくらい人気作です。
歴史が大好きなもので、ファンタジーなのにゲームオブスローンズは薔薇戦争、宗教改革、クレオパトラの生涯やエリザベス女王の生涯などを盛り込んで、もう匂い/におい以外は全て描くというくらい徹底的に描いた作品でした。
この作品でも残酷なシーンが多々あるので苦手な人は見れないでしょうが、ファンタジーでありながらかつて歴史上でも同じように男性は戦場に、女性は産む事を義務付けられた価値観がありました。
王の後継者として男性が選ばれるのが当たり前の時代に娘を王として指名します。それに対して側近や親戚筋は反発していき、やがてその不穏な空気はどんどんと高まります。王として指名された王女の戸惑いの顔がラストではどんな顔つきになるのか、もうこれは戦争になると毎回毎回ハラハラしながらも、その巨大な渦巻きはどうなっていくのか、特にラスト3話は本当に映画を越えた映画になっているといえばいいか、これぞドラマの王者という圧巻の出来になっています。圧倒的にオススメの一位です。ゲームオブスローンズを見てなくとも大丈夫です。むしろこちらから入った方が良いと思います。
いずれゲームオブスローンズの特集記事を書きたいと思います。つーか詳しく書きすぎて長文になり、止まっていますw。こちらが予告動画
2位ダークマテリアルズ
これは小学三年生くらいから見れるドラマだと思います。つまり親子で楽しめる作品ですね。どういうわけか日本では全く流行ってないですが、アメリカ、ヨーロッパではとても人気のある作品です。
ライラの冒険という児童文学ではかなり有名な作品で個人的にも大好きな本です。
本が有名なだけあってとにかくスケールのデカさといいセットの作り込みといい、とても力が入っている。正直懐かしさで最初は見ていましたが、ストーリーは大人でも楽しめる内容なのでどんどん引きこまれました。
いま第二シーズンの途中ですが面白いですね。この前に気づいたんですが、これはアイザックアシモフのファンデーションがモチーフになってますね。
1940年代に書かれた小説で、太平洋戦争中でしたが古典的SFとして有名です。噂ではオサマビンラディンのテロ軍団、アルカイダはこのファンデーションからとったと言われてます。
ダークマテリアルズ、親子で楽しめる作品です。こちらが予告動画
第3位エルピス
日本のドラマで今期放送されたドラマですがU-NEXTでも見れます。コメディタッチで素っ頓狂なテレビディレクターと落ち目のアナウンサーが冤罪事件に挑むストーリー。
脚本家の渡辺あやさんがテレビ局に企画を持ち込んでも断られ続けてようやく制作されたドラマ。情けないと思いますね。今のテレビは。
そもそも電波は国民の財産なのに、それを安く買い叩いてテレビ局は番組を放映してるわけです。なのにこの程度のドラマすら拒否するなんてホントに情けなさすぎる。
実際に起きた足利事件がモチーフになっていて清水潔作、殺人犯はそこにいるというルポルタージュがあってこの本は読んだ記憶がありました。その本をモチーフにして制作されたわけです。
冤罪ではないかと疑い、調べているうちに違う犯人を特定するまで本で書かれていた記憶があるけど、このドラマも真相を探るうちに巨大な権力が立ちはだかるという内容になっています。
おそらくこれを映画にしなかったのはこういう事実は大人だけではなく子供も共有して欲しいというところがあったと思います。
軽快でありながら時に重々しく、大人だけが楽しめるドラマではないそのさじ加減が絶妙だと思います。正月に一気見するオススメのドラマです。こちらが予告動画
第4位 ジ・オファー/the offer
全10話。名作ゴッドファーザーの映画制作の裏側を描いたドラマです。ゴッドファーザーを見た人も見てない人も、面白かったと思う人も面白くなかったと思う人もこのドラマは楽しめると思います。
マフィアの一族を描いた本がベストセラーになり映画化をしようとするのですが、その事をとあるマフィアのファミリーのボスに言うと断られます。
挙句にショットガンで、、、って感じでストーリーが始まります。
とにかく相手がマフィアの上に映画制作は難航するんですね。まー爆笑したし初めて俳優が揃って食事会をする時はシビレました。思わずガッツポーズしてしまいました。カッコ良すぎる。
ラストもちょっと感動しました。オススメです。ちなみに前提知識が必要なのでそれだけ書いておきます。
マフィアとはイタリアのシチリア諸島の反社会組織の事を言い、それ以外はギャングと言います。
反社会組織と言ってもかつては警察も弁護士/法曹界も成熟していなかったので、地元のボスとしてマフィアや日本で言うならヤクザが仕切っていたんですね。酒の密売など悪い事もしていたけど、自分のテリトリーに住む人の困った時の相談所でもあり、仕事を探したり、結婚相手を探したり、他の地区の人間と喧嘩したら仲裁に入ったり、世話役的存在でした。
ただ先に示した法曹界や警察といった組織がしっかり回り始めてからは居場所がなくなり、麻薬などに手を染めて反社会組織になっていったという経緯があります。
マフィア同士の縄張り争いの抗争など色々あって地元民から恐れられていたと同時に必要な存在であったわけです。
ここいらへんの前提知識があれば楽しめると思います。こちらが予告動画
第5位 メディア王/華麗なる一族 サクセッション
子供は視聴しない方が良いですw。
一代で保守系メディア/テレビ局を創業する剛腕社長。ま、日本で言うならば読売新聞系列のナベツネさんですね。ドラマでは発言に問題あって世間を賑わせるのだが、そんなじーさんが倒れて誰がこの会社を継ぐのかで揉める御家騒動物語になっています。
この作品の凄いところは登場人物で誰一人共感できない、好きになれないのにメチャクチャ面白いところ。一話目から本当に面白い。超がつく富裕層で一般的な人々を見下しているというか、もうその感覚すらなく、差別的で傲慢なのだけどやる事なす事がぶっ飛んでいて面白い。
テレビという巨大メディアの栄枯盛衰、エミー賞最多ノミネートなど話題が多いけど、これぞHBO作品といったところです。正直、好みが分かれる作品かも知れないし、一気に見るのはちょっと脂の成分が多すぎですが、ハマると本当に面白い作品です。
自分もシーズン2のラストまでようやくきた。こちらが予告動画
第6位サムバディ、サムウェア/somebody some where
30分ドラマで全7話。誰も知らない俳優に惹かれて見ました。人気はありませんが、見た人は大絶賛するドラマです。
片田舎で過ごす女性のささやかな日常ドラマ。
色々と不安もあり、あらがえない問題もあるけどそれでも生きていく。そのセリフの一言一言が心に蓄積されていく感じがしました。静かな感動があり、同時にごくふつうの笑いに救われる感じがありました。
HBOは脂っこいドラマが多いけど、ちょっと疲れたらこれをご覧ください。今年の個人的ベストドラマの一本です。こちらが予告動画
第7位 ウイニングタイム
シーズン2はまだ配信未定。子供視聴はまーやめた方がいい。シーズン1は全10話。
ロサンゼルスレイカーズの栄光の歴史の1ページ目を描いた作品。バスケ好きでなくともオススメドラマです。
売りに出されたロサンゼルスレイカーズを買い取ろうと破天荒な社長は画策します。同時に新人ルーキーとしてマジックジョンソンを獲得しようと
あの手この手を使う。まードラフトの仕方何昔からは本当に酷かったんだなと思いました。
マジックジョンソン、破天荒な社長も欲望の沼にハマっていく。呆れるくらい二人とも性格が酷いのだけど、そのタレント性と才能はやはり認めなければならない。
同時にチームメンバーとの軋轢、色々あるけどそれでも優勝に向けて突っ走っていく展開がとても良い。いくらなんでもラリーバードを悪く扱いすぎるけど、そこはアメリカのドラマって感じです。チームメンバーの過去の人生が泣けた。シーズン2が楽しみなドラマです。こちらが予告動画
第8位 平家物語
アニメです。これは本当に演出が素晴らしかった。幼い琵琶法師に重要な場面で語らせながら平家物語の平清盛の末期の時期と壇ノ浦のに戦いまでを描いた作品です。
音楽も斬新で聴覚、視覚的にも暗い内容のあの平家物語を淡く儚いファンタジー作品として見事に昇華してると思いました。
主人公の女の子を天使のような位置に見立てて、欲望にたける人間の有様をただ見続ける。吉川英治の平家物語を読んだことがあるけど、あれがどれくらい脚色されてるかわかりませんが、ぜひ若い清盛が神輿に矢を放って大乱闘になるところからまた制作してくれないかなと思うくらい好きな作品です。こちらが予告ですが、予告動画もマジで良い‼️
第9位ステーション11
全10話。中学生から。全てのドラマは到底見れてる訳ではありませんが、今年見たドラマの中で間違いなく個人的にNo.1作品です。ただ万人向けかと言われるとどうかなと思うし、正月の明るい雰囲気の時に見るドラマかと言われれば微妙ですw。
ベストセラー原作をドラマ化したもので、コロナ禍のようにウイルスが蔓延して多くの人が命を失います。世界経済は破綻してそれぞれが村単位で暮らしたりしてる世界になっている。小さな劇団が移動しながら観劇をして回り、そこで様々な人生模様が繰り広げられるというストーリーです。
ハムレットを舞台でやるのですが、空港でのストーリー展開は広い空間を使って舞台を見てるかのようでした。非常に工夫が凝らされていて見るたびに新しい発見と感想が変わるような作りになっています。
残念なのはコロナ禍とこのドラマがリンクしてしまった事かな。それがなければもっと評価された気がします。とにかく味わい深く、ラストの静かな感動と終わり方がとてつもなく好きでした。
記憶に残る作品です。こちらは予告動画ではなくディレクター、俳優が語るステーションイレブンに魅力についてです。ぜひ。
第10位ピースメーカー
全8話。子供厳禁ドラマ。正義のためなら人も躊躇なく殺す悪趣味全開、ヒドさが売りの我らが兄貴、ジェームスガンが制作したドラマ、ピースメーカー。
日本人が悪いんです。子連れ狼のような映画を作るから。ジェームスガンは被害者なんです。
乳母車にマシンガンつけて、それをぶっ放して皆殺しにしたり、最高の時代劇役者で俺の大好きな若山富三郎大先生の剣技で人をバサバサ斬りまくっていく、映画史上発のスプラッター映画を作ったりするからジェームスガンのような人間が出てくるんです。
こういう事やっていいんだ〜的な事を思わせてしまったからよりねじれた映画をジェームスガンは作る羽目になる。最高ですね、やっぱり日本は。ああいう子連れ狼のような倫理観まるでナシな映画を量産すればいいのです。
お涙ちょうだい映画なんてなんにも生み出しません。
というわけでピースメーカーは悪趣味な演出と爆笑が同時にやってくるストーリー展開が癖になります。しかし今回はなにやら切ないパートがあったりしてちょっと違和感があったりしましした。
ジェームスガンはインディーでスプラッター映画を制作したりしていたのですが、マーベルに誘われてヒーロー映画を作ります。しかし失言が祟りマーベルからクビになるんですね。
ちなみにマーベルとはスパイダーマンやアイアンマンなどのヒーローを中心としたコミック/映画を制作する会社です。いわば集英社の少年ジャンプみたいなものです。
それに対してバットマンやスーパーマンはDCコミックといってわかりやすくいうと小学館の週刊マガジンみたいなものといえばいいか。
それでクビになったのですがジョスウエイドンというマーベルの立役者に再び声をかけられてジェームスガンは復帰する事になるんですね。
しかし今度はジョスウェイドンがパワハラなどでマーベルからクビになってしまうんです。
ピースメーカーのストーリーに戻ります。ピースメーカーは刑務所に入っている。そこからある任務をやる代わりに刑務所から出られるんですね。つまりジェームスガンはマーベルを一度クビになり刑務所にいるみたいな気分だったと。そこにジョスウェイドンが再び復帰をうながし新しい任務を与えてくれた、と読み取れるんですね。しかしそのボスといえるジョスウェイドンがクビになってしまう。
ピースメーカーは失意におちいるという展開になります。もともとどこにも居場所がなく常に外側にいた人間だった者たちがマーベルに結集して作ったのがヒーロー映画だったりしたのです。しかし人気が出るうちに居場所がなかった者達がヒーローのようにまつりあげられる。
それによって間違いを犯した人間を躊躇なく切り捨てるようになる。
ジェームスガンはなぜだ?と訴えているような気がしました。居場所がなかった者が人を切り捨ててどうすんだ、たとえなにがあっても守るべきではなかったのか、それがヒーローってもんだろうと。
SNSで正論をぶっ放して人を切り捨てる事に夢中な人々を劇中で例えてみたり、まーラスボスはどう見てもディズニーですね。
そんな巨大なものに対してどんな事をやるのか、もう大爆笑しました。これぞジェームスガン、これぞ皮肉にみちたコメディといった展開で最高でした。こちらが予告動画
以上U-NEXTで見られる作品をあげて見ました。ヒューマンドラマ、アニメにファンタジーにコメディとバラエティに富んでいるラインナップです。どれが必ずハマる作品があると思います。ぜひご覧ください。
続いてはNetflixオススメドラマをUPしたいと思います。