写真、自然、音楽、科学、が趣味

生活の風景

音楽、写真、日常を切り取る感じで。

257.夜のひととき

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冬になると、週に3回ほど小学校の裏山のスキー場が開放される。スキーの好きな子供達は、夜になると集まって滑って遊ぶ。

 

大人は1時間半の間、寒空の下で子供を滑ってるのを見つめている。

 


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子供は小さな学校に通わせている。全校生徒40人いるかどうかだ。だからみんな顔見知りだし、先生と児童の間の関係もとても近い。イジメなんかも起こりにくいだろうし、あまりプレッシャーをかけたくなかった。

おかげで先生や周りの児童にも恵まれて、良い時間を過ごしている。

 

ほぼブレーキをせずにまっすぐ滑る息子にヒヤヒヤしながら、児童達の笑い声を聞きながら過ごす時間はとても贅沢なのだろうと寒さに震えながらも、なるべく夜間スキーにこれからも連れてきたいと思っている。

 

 

 

 



256.酷暑の生活

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かつてない熱波が北海道を襲っている。北海道以外の人々からしてみると、まだ北海道はマシな方だろう。

この寒冷地帯の生活も農業もかなり変わってしまったと言わざる得ない。30℃を越える日数など5日くらいしかなかった。しかし年々30℃を越える日数は増え続けて今年は15日以上はあった。気温は28℃でも体感温度として30℃を越える日を入れると、20日はあったと思う。

 

寒冷地帯だからこその強みで畜産業があったのだけど、変わらざる得ないのではないか、と思うようになった。

ミルクを出すホルスタインはだいたいマイナス20℃でも耐えうる身体をしてるのだけど、人間で言えば冬用の防寒具を着ている状態と言っていい。その中で30℃を耐えられる人間はいないだろう。

 


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林の中だと30℃以上の温度でも20℃くらいではある。しかし日中は身を潜めて隠れていて草を食べたりしないから当然ミルクはでない。

ミルクが出ないどころではなく、命に関わる事だ。牛がみるみる痩せていくのを目にした。

実際に熱中症になって痛ましい惨事が続いているというの情報はあちこちから聞いてる。

8月は出産させないように分娩時期をずらしているが、していなかったら悲惨な事になっていたと思う。

正直、毎日牛を迎えに行くのが不安で仕方なかった。林の中でもう身動きとれなくなってる牛がいるのではないか、とビクビクしていた。

 

そのかわり夜になると涼しくなるので牛達はいっせいに山へ登って草をほうばる。

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昨日の朝にようやく涼しくなり始めた、という実感があった。朝に迎えにいくと、牛は陽の光を浴びて悠然としていた。

 

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これからどうなるだろうという不安はある。しかし広々とした青空の下、牛が歩いている姿はやはりいいものだ。まだその道を行こうと思いつつ、大地を歩いた。

255.夏のある日

 

 

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子供は海で漁師が使うウキを見つけた。自分にあれをとってきてと言い、海を歩いてウキを取りにいった。漂い続けてようやく砂浜に辿り着こうとしたウキを、子供はまた海に戻そうとする。

 

 


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子供は真剣だ。どうやったら戻せるか、何度も何度も繰り返す。その光景を見ながら子供は海にウキがあるのを知っていて戻そうとしているのか、あるいはウキは海にあった方が幸せなのではないか、と直感で思っているのか、どちらだろうかと思った。

 


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ふとある光景を思い出した。およそマイナス20度の中で、写真を撮った。繰り返される波の音と寒さで思考は停止して、目の前に打ち上げられたウキのような気分になった。

人間は複合体だ。血、骨、肉、内臓に脳と様々な役割があってそれが一つになって生きている。決して1つの存在で成り立っていない。全ては炭素によって作られている。

 

では心は一体なにで作られているのか。心とはなにか。

その時、心を守るために肉体という衣/ころもをつけているように感じた。そして社会を生きていくために服を着てさらに鎧を着る。だがすべてを取り払ったら、寒空の下で打ち上げられたあのウキと変わらないのではないか。

 

ただただ我々は、起こる事象を見ているだけにすぎないのではないか。あのオレンジのウキのように。

 

 


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子供はやがて裸になって遊び始めた。笑いながら見守った。

 


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ウキを海に戻そうとするのを子供は諦めた。

子供の転がしていたウキは黄色だった。希望の色だ。

やがて数羽のカモメが飛んできた。小さな十字架の姿のその鳥は海の方向へと戻っていった。

 

 

254.夏のある1日

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夏のある日、家族と海へ行った。およそ20分で着く浜辺で、海は浅く子供が溺れる危険性はかなり少ないので年に数回行く事にしている。

 

子供達は最初は恐る恐る海に足をつけた。そしてその5分後にはバシャバシャ浅瀬を走り回って楽しんでいた。

 

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防波堤。干潮時には胸あたりまでだ。カメラを持って撮影しているとカモメが向こうの方で鳴いていた。もっと近くで撮りたくともそれは叶わず、家族のもとに戻る。

 

 



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子供がコンブを拾って得意げに振り回す。スターウォーズウルトラマンかマーベルか何かわからないが、ヒーローごっこで悪い怪獣を倒すためにコンブを振り回して遊んでいた。微笑ましくも子供が怪獣を戦う声は波の音で途切れ途切れ聞こえてくる。

 

 


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不意にカモメが頭上を飛んでいった。何事かと空を見渡すが太陽を見て目がくらんで下を向いた。

子供が指を指していた。

やがて音と共に自衛隊のプロペラ機が見えてきた。

 

子供はなにかを話していたが、その声は波の音と飛行機の音で掻き消された。

 

しかし子供は話し終えると満足したのか、海の方へ向かって歩き出した。飛行機を少し眺めて、やがて着陸態勢に入るために旋回してるのにも興味はなく海で遊び始めた。

 

飛行機のノイズがあたりを支配したが、子供は繰り返し押し寄せては引いていく波に向かって歩きだした。

 

 

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253.スナップ写真

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久しぶりの投稿だ。5月の末に子供が入院して、一週間ほど病院で寝泊まりしながら生活をした。次男の4歳の子供はまだ妻と一緒に家にいなければいけない。

自分が入院した息子と一緒に病室で寝て、朝の四時に起きて家に戻り5時には仕事をする。病室には親が寝るようなベットはなく、雑魚寝をするようなもので身体のふしぶしが痛くなった。

病室の空気は乾燥していて夜中に子供は悪夢にうなされるので1時間に一度は窓を開けて空気の入れ替えをしつつ、そんなこんなで結局寝れない上に体力は奪われ、自分も体調を崩してしまった。

高熱でうなされて6月いっぱいは体調は復調しなかった。

仕事は遅れて体調も満足ではなく、心身共に衰弱している状態で気持ちに余裕はなかった。

おまけにノートブックでブログをやり始めたら、ランキング登録やらなにやらしているうちに楽しくなくなってしまった。

ランキングで高順位のためにやっているわけではない。だが多くの人に見てもらう事に越した事はない。

ただ少し考えているうちにやる気が失せてしまった。

 

 


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単純に写真を撮るのが好きなだけだ。商売がしたいわけではない。肩肘はらずに細々とやっていこうと思う。投稿は止まっていても生活をして写真は撮っていた。

 

その軌跡を余暇がある時に投稿していきたい。


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252.星空の下で。

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弟夫婦が帰った。喧騒たるもの凄まじく、まるで猛獣が住んでるかのように子供達は遊んだ。


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金曜は学校を休ませて、遊ばせた。八雲のパノラマパークは貸切だった。子供達は自由に遊んだ。


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iPhoneで撮影していて光の光線が妻と子供にのびるように撮りたかったが、曲がっていた。

ふとその光線が曲がってるのを利用して、鳥が飛んでらかのように撮れないかと思った。

 


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帰る時に弟がこうやって子供を心置きなく遊ばせたのはコロナ前だと言った。また来ると言って去って行った。

夜、家の前の庭のチューリップや星空を撮ろうと思った。残念ながら風が吹いていて焦点は定らないのはわかっていたが、それでも撮りたかった。

 

向こうの空で星が輝いている。孤独で孤立していて、その光は何年と経って届いている。

コロナ禍で失われた時間を、弟が来てようやく身にしみた。あまりに多くの時間が失われたのだ。

 

あまりに犠牲は大きかった。

 

ヘッドホンをしてfred againの曲を聴いた。ダンスフロアを失い、踊る事ができなくなった。そんな曲を聞いた。

メロディーが星空とシンクロして陶酔感を際立たせる。牧草地に寝っ転がって星空を眺めた。

こうやって頭上の星空を眺めるのも久しぶりだ。

 

とても美しく、その日の星空は自分のために瞬いているような気分になる。

 

音がその星々をとらえて心の底まで届けてくれたかのようで、安らぎを得た。それだけで、今は充分だった。少しだけそこで眠った。

 

https://youtu.be/l4UkYBr1NnA
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251.消えた道の上を

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弟夫婦が来た。実に3年ぶりだ。あまり弟夫婦の姿は変わらなかったが、子供達はずいぶん成長していて驚いた。我が息子達も大はしゃぎで喜んだ。

 

弟夫婦は居酒屋を経営していて、職業柄、コロナ禍では里帰りはできずにいた。


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トラックの荷台に弟夫婦と子供達を乗せて牧草地に行く。かつて自分達が遊んでいた事と同じ事を自分の子供達に体験させる。

3年間の月日の穴埋めをするかのように、大声で走り回り、子供を夢中にさせる。

 

それをじっと眺めていた。

正確にはかつての自分達を、だが。

 

弟は子供を抱えて走り出した。子供が大きな声で笑い声を上げた。その1秒1秒は未来に向かって。

 

その走りゆく先は、かつての方角へ。消えた道の上を、弟はまっすぐ走った。

 


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