怪我をした親指の治療に毎週月曜日に列車に乗って病院に行っている。毎週でもないか。
片手で運転できるものの、列車の方が気楽だ。およそ函館までは1時間かかるが、少し寝てられるのでゆっくり過ごせる。
田舎の駅の構内が大好きだ。人通りがいないこの階段や新しくない雰囲気がとても味があって好きだ。
今、燃えよ剣という映画が全国で公開されてるが、土方歳三が戦った五稜郭公園の隣にある病院に通っている。
コロナの影響か、映画公開によってもっと人の往来が公園内であってもいいのに、閑散としてるのがやや寂しい。
燃えよ剣は司馬遼太郎の小説で3度くらい読んでいる。とても好きな作品だから観に行きたいのだけど、ヒットしてるのだろうか。
治療が終わったら必ず昼はRAMAIというスープカレー屋に行くのが定番だ。本州、九州の人々にはスープカレーは未だ一般的ではないのかな?
北海道では多くの居酒屋にもメニューがあったり、専門店があったりする。函館にも数店舗あるけどラマイのビーフが最高に好きだ。
夕方の3時に帰途に着く。陽光が傾いて光の窓が人の歩く道に、あるいは壁にふわりと照らされていた。
それがとても美しく見えた。たいした才能はないが、日常の些細な事でも楽しめる性格ではある。
そこが他の人よりも長けているかもしれない。
陽光の窓に絵は描かれてはいないが、その窓の光は反射して心の真ん中に明るい影を照らした。スマホで写真を撮る。片手作業でどうしても傾いてしまう。
ガランとした駅の構内に優しく陽光は注いだ。一瞬の幻はこれから2時間もあれば消えて、蛍光灯によって何もかも失せて見えなくなる。
今日、星空が見えるといい。