最初のファーストショットで、今日は海でイカ釣り漁船の明かりがキツイからなかなか思うような写真が撮れないと思った。そして霧が出てきたので、これは話にならないかとも思ったが、なんとなく外に出た以上、何枚か写真を撮りたいと思い、待つことにした。
水たまりに映る木星。空はうっすら霧模様。水鏡に映る木星の方が、空に浮かぶ木星より魅力的に感じた。そして少し晴れてきたし、水たまりに映っている星が結構見えたので、BULBモードで撮影をする事にした。
しかし10分もしないうちに空が曇り始め、星はそんなに写らないだろうと思った。まぁ、いいだろう。どうする事もできない。
数枚しか撮らなかったけど、撮影は楽しかった。
単焦点レンズ、xf16ミリf1.4で撮影した。カメラを作る各社には必ず使ってみたいレンズがある。個人的にはその使ってみたいレンズが富士フイルムに集中していた。目立ちはしないが、富士フイルムのxf16ミリf1.4はとても星撮りには能力を発揮するし、接写でも5センチくらいまで寄れる。使い勝手は一言二言言いたい事あるにせよ、このレンズは他社のカメラを使っているユーザーでも使ってみたいレンズではないか、と思う。
火星が赤く輝いていた。この写真で最後にしようと思った。しばらく見ていると、夜空の眼に見えてきた。
いつもならば木星に目がいく。火星をゆっくり眺めたのは久しぶりだ。
気づくと周りで虫の鳴き声が鳴いている事に気付いた。結局俺はなにも見ていなく、聞いていなかったのか、と少しおかしかった。
もう一枚、撮ろうかと思ったがやめた。ここでもう一枚撮ると、何かを探ろうとして1時間はこだわる。夜は深すぎた。撮るべきものは沢山あるだろう。けど生きることを選択して、明日も5時に起きるために眠りにつく事を選択した。
虫の鳴き声が、美しく響いていた。