148.フクロウの鳴き声
夜に花の写真を撮る。本当は星空の下で撮りたかったが、霧が出て無理だった。
こちらは昨年の写真。天の川と枯れ始めたバラ。この時もなかなか晴れない日が続いて、ようやく晴れた夜空の時にはバラが枯れてきたという惨事だった。
夜に誰もいない中で、花を撮るというのはとても新鮮だった。バックが黒い中で、これから咲こうとする花はとても美しく見えた。
昼間だと周りの景色が見えて、なかなか一つの花に集中できないけど、夜は違う。
遠くでフクロウが鳴いていた。その声を聞きながら、最後の一枚を撮る。ふと見上げると霧が晴れてきていた。月はとうに西の大地に消えた。
やがて天の川が見えてくるはずだ。もう少し待とうかと思った。だが明日が来てしまう。今日を諦めようと思った。
歩きながらフクロウの声を聞く。フクロウは夜の底で低く鳴いていた。