妻の知人の方がオンラインでアート教室をしてくれた。何をやるかもわからなかったので子供のサポート役に徹していたが、とても興味深かった。
子供がスポイトで絵の具の金色の液体を吸い込み、黒い紙にシュッと出す。
それはまるで細胞分裂のようだ。おっ?と思った。
そして先生がその画用紙を持ち上げでみてごらん、と言う。細胞分裂したその色は瞬く間に流れて黒の画用紙を侵食していく。
細胞という点が、線になっていく。
それは生物の歴史を見ているようだった。まぁ、こんな風に考える事自体が変わってるのだろうがw、生命が瞬く間にこの地球上に拡がっていくのを見た気がした。
実はこの地球上の炭素生命体がいるのといないとでは全く結果が違うと言われている。炭素生命体がいない場合は、海すらなかったと言われているのだ。つまり生命体そのものがこの地球環境を作り上げたという事だ。
それは細胞分裂でも明らかで、点が線になった時にもう物語は一気に加速して、止まるという事できない。
3歳の子供はクレヨンでグルグルとマルを描いた。書いた、というべきか。これも興味深かった。絵を描く最初はマルなのか。それもグルグルと螺旋を描く。生命の成長過程と時間の流れを表しているように見えた。
5歳の長男は隙間という隙間に色を塗り始めた。様々な色を。その様子を見ていると、様々な生命が誕生してるように見える。デタラメのように見えて規則性が生まれてつながって大きな循環が生まれる。
アート教室と思っていたら実に身になる生物の歴史を辿る授業になった。子供の絵には偶然と必然が折り重なって大きな生命世界の舞台が描かれていた。
自分もやってみた。液体を画用紙にたらして画用紙を持ち上げる。金色の液体は下に流れていく。
それをティッシュで雑にこする。色はにじみながら広がる。
個人的に生命の象徴は木に集約される。空間、生命。
自然とその金色が流れていくのを見て、丘の上の木を思い出した。星景写真を撮る時は、その木をまず撮って調整しながら他の風景を撮りにいく。
その事を思い出しながら絵の具を塗る。何十年ぶりに絵の具のふでを握ったが、うまくはいかない。
雪原、夕陽、暗闇、星と雪。
あまりに頭の中の絵と違っていたので笑ってしまった。
https://open.spotify.com/track/6YSfNhlwfIrWfXsSUAdj0J?si=HeffsQUFQi2NN3pz_tzHGw
U2の音楽が頭の中で流れる。
ストリートに名がついてない地へ。そこに行きたいという曲が流れる。ジョシュアトゥリーという名盤の一曲目だ。金色をスポイトで垂らして画用紙を揺らす。
色は流れて道のようになる。それを木に見立てて色をつけていく。
2枚目にしてはまぁ、よくできた方だろう。俺の実力では。
丘の上の木は折れて、見る影はない。だが自然とそこに足は運ぶ。
今年はここに栗の木を子供達と植える予定だ。それが立派に木に成長する姿を見れないかもしれないが、それでもいい。この丘に木を植えようと思う。