朝の7時半に山の上に行って水槽に大量の水を入れる。子供はクロワッサンとバナナを食べながらご満悦だ。この後、一緒に幼稚園に向かった。
2時過ぎに仕事をしながらふと空を見上げると、とても印象的な空模様だった。牛の近くに行ってiPhoneで写真を撮る。牛達は最初はこちらを気にしたが、またご主人はアホな事をやってると動きだす。
外敵から身を守るために、牛達はなるべく周辺を見渡せるところで集団で休息をとり、そして移動する。習性がそうさせる。俺を横目で見ながら通り過ぎ、やがて空の方向へ消えていった。
夕方、牛を牛舎に連れて戻すために山に登る。牛達は名残惜しそうに歩く。まだ草を食べたがっていた。雲の中の夕日が美しく見えた。今日は星空の写真を撮れるだろうかと思いながら山を降りようとした。ふと後ろを見ると牛が一頭帰りたがらなかった。
いいだろう。好きにしろと思い一頭を残して山を降りる。すると後から猛スピードで山を降りてきた。
羊雲が夜空を闊歩していた。北の空は北極星も北斗七星も見えず、南の空も羊雲が自由気ままに歩いていた。星空を写すには悪条件だ。
だけど気分はとても良かった。もう外は寒くてシャツ一枚では過ごす事はできない一方で、その冷たい透き通った空気を吸い込むと意識がクリアになって心地が良い。
西の空を中心にしてカメラをセットした。ヘッドフォンでDJ kozeの曲がクリアになった意識にしみこんでいき、幸福感に満たされる。もっと向こうへ、もっと向こうへ。
雲が支配しようとも気にしない。シャッターを押した。星々と共に歩むのだ。
羊雲は別に北の空のへと闊歩して行った。