牛の放牧が始まって5日目になる。
ミルクを搾ってその後にすぐに出すと、山に向かって歩きだす。それを見送りながら他の作業をするがとても気楽だ。
もちろん、ハプニングも起きたりするから時々、確認しに行く。
放牧初日の写真。
写真を撮っていると突撃してきたw。かゆいから頭を撫でろという。
富士フイルムxpro2 というカメラで。
モノクロで写真を撮る。
空と大地。余白を楽しむ。
あくまでも個人的な考えだけど、建物がひしめくようなところではモノクロの写真はあまり撮らない。
まぁ場所によるが水墨画のように絵に隙間があり、余白は楽しむというのが白黒の世界で大切な事のように思う。
あくまで個人的な考えだから正しいというわけではないけど、自然の中で過ごしてると、度々モノクロの世界を意識せざるを得ない時がある。
冬は灰色の雲に覆われ、大地は雪原で白い世界がどこまでも続く。
色が失った世界を生きるという事が、さほど珍しくないのだ。だからといえばいいか、モノクロの世界が自分の中に染み込んでいて、どこかでここはモノクロで撮るべきだとスイッチが入る。
草を食べ始めて、やがて夢中に食べるようになり、次の場所に移動する。冬が明けて、牛達が牛達の世界を生きるのを目のあたりにする。
空と大地がどこまでも続き、牛達はその方向へと歩み始めてそのうち向こう側へと吸い込まれてくように、消えていった。