子供達と雪原へ。雪が解けてくると、夜は氷のようになって午前中は固い状態が続く。ソリ滑りをしに行った。
何度となく滑っては登ってを繰り返す。最後は斜面を子供2人乗せて登る役割をするハメになるのだが、そのあと滑ったあとに子供の笑い声が響き渡るのはとても気分が良い。
大きな雲が流れて行き、その下を子供がはしゃいでいる。何をせずとも絵になる光景だった。それからもう少し経ってもう一つの傾斜地に向かって歩き出した。冒険だ、冒険だと言いながら。
もう一つの傾斜地の勾配はキツく、一度滑ったらさすがに猛スピードで滑ったので子供達は怖がった。
そのあと木登りをして楽しんだ。
夜。風が強い。これは1時間もしないうちに雲が出てくるかなと思った。それでも子供と楽しんだ名残りを感じたかった。きっときれいには写らないだろう。もしかしたら星そのものが消えている写真になるかもしれない。
それでもかまわないという気持ちが勝った。
風が吹いていく。
しめった春の風だ。時間過ぎ去り、全てが成長していく。この滑った後も、瞬く間に消えていく。
名残りを感じてる時点で、それを感じたい時点で俺は置き去りにされているのだろう。
1人ポツンと立ち尽くし頭の中で、時間が止まる。
だが星空を見ていると寂しくはない。なぜかわからないが、失う物は最初からないような気がするのだ。
リモートレリーズのシャッターを押した。