15.星空とスバル
スバルの車に乗ってます。アウトバック という、日本では人気があんまりない車ですがw、アメリカでは人気の車です。多分、輸出車では3番以内に人気のある車じゃないかな。
オリオン座が見えます。そこから右側に点々があるのがスバルの星々ですね。車体にも写っていますね。そして念願叶って次の写真が撮影できました。
車体に星の軌道が写ってます。この写真を撮りたかった。今時期でなければ撮影ができないんですね。
夏だと1時間も撮影してる最中に、水滴が車体につきはじめて星の軌道が撮れない。11月からは向こうの陸地からイカ釣り漁船の明かりで、星が消えてしまいます。
そして2月くらいならばイカ釣り漁船の明かりはないのですが、ー10度を下回るので、フロントガラスが凍って星の軌道が消えてしまうんですね。だから本当に今時期しかない。
去年までシルバー色の車に乗っていましたから試しにやったらなかなか星が写りませんでした。でも買い替えてメタルグレーの車にしたらこのような感じに。今回は星空と一緒に写してどんな感じになるかやってみましたが、もう少し攻めて撮りたいと思っています。今日も晴れるかなと思ったけど曇っていて無理でした。
また新たな方法で、撮影する楽しみが増えました。
最後にもう一枚。昨日の撮った写真を。
good night.
14.空港ピアノ
オリオン座を追いかけて。
15分ほど撮影して帰ってきた。
犬が名残惜しそうにこちらを見ていた。帰ってくると、BSで空港ピアノという番組を放送していた。空港に一台のピアノが置いてあり、お客さんが自由に弾いていいという番組だ。
様々な国からの来訪者、あるいは旅立つ人が、思い思いに弾いていく。
ある旅行客が、空港のアナウンスの前にお知らせのチャイムが鳴ると、そのチャイムのメロディーをピアノで弾き、そのまま即興で美しいジャズアレンジのメロディーを弾いた。
いいな、と思った。
そしてピアノが弾かれば、とも思った。
空港か。ブライアンイーノの曲が頭の中でなった。明日の目覚まし時計の曲にすることにした。
目が覚める頃には、オリオン座はもういなくなっているはずだ。
13.キハに乗って pt.2
列車が停車動き出して、再び自動ドアの方へ。
赤井川駅。
相変わらず見えぬ、駒ケ岳。
大沼という場所は文字通り大きな沼と書くが、まぁ、湖だw。
もう湖畔は雪におおわれていて、その姿は見ない。白鳥もいない。
次の春、あるいは初冬にかけて、どこから写真を撮るべきか。
ここはというポイントはあった。だがどこも生活圏の邪魔になるか、行くのが困難な場所ばかりだった。
いつもの誰もが撮れる場所しかないのか。
ガタンゴトンと、揺れる。
新函館北斗駅に着き階段を登ろうとするが、森駅で見たあの光のシルエットはなかった。
階段を登り、改札口を出る。
光は遠かった。
日陰の冷たい空気、ベンチに腰掛けてキハを待つ。
ロジャージェンキンスだったら、どう撮るだろう。
また景色が動き出した。
リズム良く写真を撮っていた。だが朝の五時に起きて仕事をする自分にとって、ガタンゴトンと揺れる列車のリズムは、疲労を和らげるには充分な心地よさだった。
気づいたら寝ていて、起きた時には森駅近くだった。
森駅に着いて、カラーをつける。
向こうへ行って、向こうから帰ってきた。小さじ一杯程度の旅は出口へ。
太陽はてっぺん近くまで上がり、光のシルエットは壁まで移動していた。
それが嬉しかった。
額縁の中には何も描かれてはいなかった。しかしその絵はフワリと暖かく、まぶしくない程度に輝いていた。
12.キハに乗って pt.1
一月上旬にキハ、普通列車に乗って森町から新函館北斗駅まで行ってきた。
新函館北斗駅は北海道の玄関口で新幹線がここまで来ている段階だ。
今回は森から新函館北斗駅まで、特に大沼という場所は湖と湖に挟まれる形で鉄道が走っている区間があったり、そこでは白鳥がいたり、とても絵になる場所が結構ある。
ただ残念ながらいいポイントは行くのが困難だったり、撮りたいが車道に面していて邪魔になるし、警察に怒られるだろうという場所ばかりでなかなかポイントがしぼれないというのが実感だ。
今回は列車に乗りながらポイントを探しつつ、景色を撮ろうと思った。
改札口を通ったら思いがけず、嬉しい誤算が階段に映っていた。
柔らかく、暖かい、そしてなにかの暗示のような光のシルエット。
今年は意識して光と影を撮ろうと思っていたけどこういう形で転がっているとは。
いい天気で暖かく、耳を澄ませると海の波の音も聞こえる田舎の理想的な駅の環境と言えばいいか。
駅員が歩いてる人っ気1人いない構内。いただいた。
ここには二度三度きているけど来る度に鉄道ファンがいる。やはり人気のスポットなのだろう。
モノクロは存在そのもの。静かにシャッターを切る。
富士フイルムxpro2 、レンズはxf16ミリ。
ズームレンズは車に置いてきた。
なんとなく自分の実力で撮ってる気がしない。子供の学芸会とかなら迷わずチョイスするが、そうでない時はあまりチョイスしたくない。
しかしキハに乗り込んで、失敗だとわかった。
新函館北斗駅までの約一時間、自動ドアの所で立って撮影しながら左右の窓から写真が撮れそうなポイントを探そうと思った。
しかし自動ドア付近は暗すぎて、窓から見える景色は逆にそのせいで眩しくて景色が見えない状態だった。
かー、どうすっかなと車内に入り、窓を見たがあまりピンとこない。
一旦車内に入って光と影を写すけど、ここじゃないと思い、また自動ドアの所へ。
うん、まー仕方ない。なんとか勝負できるか。
景色が流れていく。
ズームレンズが欲しいぜ。でも楽しいぜ。
モノクロで撮るとこんなに違うものか。光が通路に反射して存在感をあらわにしていた。色が消えるとメタリックな質感が強調されていてなんだか違う乗り物みたいだ。
三年前の台風でなぎ倒されていた木が、未だに処分されてない所がいたるところにあった。地方財政の限界を見た気分だ。
そして駒ケ岳を全面に撮るために16ミリの単焦点一本にしたが、雑木林で駒ケ岳は見えず、ようやくひらけた場所でシャッターチャンスと思ったら防雪作でこの有り様だ。
完全に失敗だった。
しかし気分は悪くない。良い写真が撮れそうな予感はあったし、少し失敗する事が嬉しかった。
10分間の停車中に車内に入った。光が乱反射していて、それぞれの現実の窓からの入り口を想像した。
プリズム。光の屈折作用。ピンクフロイドの有名なジャケットを思い出して、不意に頭の中でechoesが流れはじめた。なんというめちゃくちゃな想像力か。自分のアホさ加減に少し笑い、そんな風に考える事自体がまだ余裕がある事なのかもしれないと思った。
その光はどのくらいでここまで来たのか。
光のシルエットを見ながら、あのシーンがechoesのメロディーと共に浮かびあがった。
11.星景写真の個人的あるある話
1番星が見れる場所が住んでいる地域なので、同じ場所で同じような写真を何百枚と撮っているのだけど、飽きてしまうからなんか違う写真を撮りたくなって、自分を被写体にしてみた。
一枚目の写真が上の写真。お?ちょっといいかな。もうちょっと近づいてこういう角度で、、、
ここからいつものドツボにハマる。角度を変えたりあーだこーだやってるうちに何が良いのかわからなくなり写真を撮るペースが乱れ、ここが重要なのだけど、雪の上にいくつもの足跡がついてコイツ何度となく撮りなおしてんな、っていうのがわかってしまうというw。
粘ればいい写真が撮れる時もあるけど、雪の上ではそうではない。そして雲が出てきてそそくさと帰る。昨日はドツボのパターンに入る前に、15分で切り上げた。
ダメな時はダメなんですね。そして一枚目が良いというのは、試し撮りの一枚目だからなんだかな〜って。
でも星景写真を撮る人の中ではありがちな話かなって思います。試し撮りが1番良いっていう話しはw。
fujifilm-xpro2 、レンズはxf16mm。
こちらはxf35mmf2で撮影。一度最高得点の写真を叩き出すとまたあの写真を撮りたくなる。でもそれはやっぱり無理なんだよな。わかってんだけど、やりたくなるんだよな〜。
瞬間の美術。
狙って撮って良い写真を撮った時の喜び。夢みがち。
いつかこのお気に入りを越える写真を撮りたい。
10.長い一瞬
一ヶ月前になるか、スキー場で子供と遊びに行った際に見た、一コマだ。
踏み固められた雪上車の跡の上に残った足跡は、頭のおかしい俺を夢中にするには充分だったw。
ちょっとしたファミリー向けコースで、小高い丘を登る。その時に、どういう構図で撮ろうか確認して、子供が安全に滑り降りるのを確認した後に、一瞬のスキを見計らってiPhoneで撮る。
1次元の時間という逃れられない上を足跡をつけて。そんな事を想像させてくれた。
息子が滑ったソリの跡と雪上車の跡を見ると、交わる部分は同じ角度同士になる。暑い時にあおぐ扇子が全て同じ角度というのと同じように、こういう事は瞬時にわかる。
頭が良いというわけではない。
むしろ文字を書いたりする事は小学2年まで出来なく、苦労が絶えなかった。テストが恐ろしかったものだ。
ただ違う風景を見ていた。
足跡につられて上に向かって歩いた。どんどん違う世界に引き込まれていく。その跡が消えたところに、時間に縛られないラインが美しく残っていた。
iPhoneを向けて写真を撮ろうとした瞬間、息子の声が聞こえて、我に帰った。
帰りに自分で作ったヨハンヨハンソンのプレイリストをかけた。
女性の声のあとに、メロディーが浮き上がってくる。音に合わせて思考が漂う。
ふと見ると息子はぐっすりと寝ていた。
少し笑ってミラー越しに息子の寝顔見ていて、ふとある映画のセリフを思い出した。
親は子供の記憶の中で生きる。
その意味を噛みしめる。一瞬だが、ずいぶん時間をかけてここに辿りついたのかもしれない。
すれ違う程度だが、それは長い一瞬だ。
メロディーが、俺を呼びかけてくる。