一ヶ月前に北海道は黒松内のブナの森に家族を連れて行ってきた。
散策するにはもってこいの場所で子供は最初は喜んでいたものの、すぐに飽きて抱っこ抱っことねだり始めた。
写真を撮りすぎて子供がもうウンザリした表情に笑った。
森の中では不思議と気が緩み、皆にこやかな表情になった。ブナを生かすために非常に丁寧でかつ行き届いた手入れがされている。
森の中なのに空間は広く、よどみがなく、とても快適だ。人間の手入れが行き届くとこうも心地よいのか、と思った。
2時間くらい居た気がする。子供達はクタクタで車に入ってすぐに寝てしまった。美しく人気(ひとけ)のないその空間で、ゆっくり過ごせた。
手が怪我をしてなければ、紅葉の写真を撮るのだけど、中々かまえられない。ギブスをして完全に固定されてる状態なので、写真を撮るにはとても難しい。家族の写真も、森の紅葉も撮りたいのだけど。
完全な失敗した写真なのだが、それでも気に入っている。青々した緑が広がり、眩しい光がスッと入ってくるあの風景を、なかなか写真にするには難しい。
それでもどこかあの神々しさ漂うあの空間を思い出させてくれる。
もうすぐ緑の季節が終わる。紅葉と真っ白な風景を、写真に、目に焼きつけないわけにはいかないのだ。