北海道は黒松内のブナの森林へ。なかなか忙しくて写真を撮る暇がなかった。
やや紅葉シーズンから遅れた感はある。雨が降るというのでその時にほとんど紅葉は終わってしまうと思い、仕事を休んで撮りに行ってきた。
落ち葉の絨毯/じゅうたんの上を歩く。とてもフワフワして気持ちがよかった。そして歩くたびに落ち葉を踏む音が心地よかった。
どんどんと森の奥へ。午前11時。陽の光の光線が優しく森の中へ届いてくる。森林浴に新たな心地よさが加わった。
光に照らされた道を歩くのはちょっとした宗教の儀式に参列してる気分になった。
マニュアルモードでゆっくりとピントを合わせて丁寧に写真を撮る事を心がけた。
ファインダーをのぞくと、ボヤけた風景が見えた。ボケて輝く風景がやけに美しく感じた。
そしてゆっくりとピントを合わせる。
鳥の鳴き声が森の中に響き渡る。ずいぶん奥へと歩いてきた。その森の奥でも光が射し込み、しばらく立ち尽くした。
結局、光を撮りに来たのだ。
少し休憩できる小屋にたどりつく。
光に照らされ、木々から葉が金色に輝き、ゆっくりと雪のように舞いながら落ちてくる。
小屋に入って長椅子に座った。
小鳥のさえずりと風によって落ちてくる葉の音が、周辺に響き渡っていた。
やがて長椅子に横になり、うずくまって少しの間、静かに寝た。