山に雪が降った。予感はあったので、朝1番に歩きながら山を見たら雲に覆われて見えなかった。
昼ごろに見ると雲の割れ目から雪が積もっているのを確認した。
紅葉の奥に葉が落ちた森の山、そしてその奥に雪が積もった山がある。撮りながら美しいな、と感じた。
明日、紅葉の写真を撮りにいこうと思った。
夜、仕事を終えると星々が輝いていた。写真を何枚か撮りながら、構図を考える。
bulbモードにして写真を撮り始めた。犬が近寄ってきた。散歩をしに夜の道を歩き始める。冷えた空気が意識をクリアにしてくれた。
星空を眺めて想像する。十万年かけて人間は月にまで行った。
では一億年後、人間が生きていたらどこまで行っているだろうか。光の速さで四年かかるあのオリオン座まで行っているのだろうか。
その頃の人間は、もう人間と言える生物ではないと思う。
一億年前に遡るとわかる事だ。しかし一億年後の人類はかつて地球という星のみで生きていた事が、信じられないと思うのではないか。
あんな小さな青い星で人類は自給自足の生活をしていたと思うだろう。
立ち止まってオリオン座を見る。駆け足でスバルを追いかけている。星々の輝きは過去の光だ。
歴史の光はこんなにも美しい。立ち止まって見ていると、犬がつまらなさそうに座って俺を見ていた。
少し笑って闇夜の方に向かって歩いた。