先週の土曜日に参観日があったので月曜日は小学校は休みだった。
昨日は函館の五稜郭公園に花見をしてきた。
ここはゴールデンウィークなんて来る者ではない。花見客でごった返している。正直函館の街に辿り着くまでが大変だ。
この四月末から見頃をむかえる花見だが、今年は例年よりも一週間は速い見頃を迎えた上に、子供の休みも重なってとてもラッキーだったと思う。
桜の花も美しいが、この巨木こそカメラの被写体としてふさわしくも感じた。力強く根を張り、そして長年にわたって一瞬の花を咲かせる。
写真を撮った。平日とはいえ、やはり花見客は多かった。中国、おそらくロシアあたりから来ている観光客が戻ってきているのを感じた。英語の会話が聞こえなかったのが以外だった。
子供は落ちていた桜の花の枝をカバンに刺して、祖母へのおみやげにするとはしゃいでいた。
なんだかうまく撮れない。子供達は傾斜面があると登ろうとするが、登ってはいけないところに限って行きたがる。それを注意をうながそうとしたり、他の人にぶつかりやしないかとヒヤヒヤしてるので写真に集中できないでいた。
少しイライラし始めたが、思い切ってモノクロで撮る事にした。
ファインダーをのぞく。
途端にその世界に魅了される。集中するとそこかしこで撮るべき構図が浮かび上がる。
転びそうになった。おそらくベストショットになるだろう一枚を逃した。子供の足が切れてる。次だ、次、と心に言い聞かせる。
やはり子供は被写体に最適だ。結局この被写体に勝るものはないとつくづく思った。
やめなさいと言っても子供は走り出して登り始めた。ジグザグに登り始めた。まっすぐ登るよりジグザグに登った方が楽だからだ。登った自分を見てもらいたく誇らしげにこちらを見る。
あっという間に子供は成長した。螺旋状の時間を登り始めたばかりだが、それでも速い。その加速度は速まるばかりに感じるだろう。
この桜の木と同じように。植物もまっすぐ成長するのではなく、ねじれながら螺旋状に成長してゆく。
そして一瞬の花を咲かせ、その花は螺旋状から落ちてゆく。
一瞬の記憶を撮った。光が雲の切れ目から差し込んだ。
公園から出る途中に、切り株に花びらが添えて置かれていた。誰かが花びらを拾って切り株の上にそえたのだろう。その写真を撮って帰路についた。