昨年、親指を切断しかけて月一回くらい病院に通っていたけど、遂に今回で最後になった。
残念ながら親指は第一関節からあまり動かないし、寒いととても痛むので手袋をなるべく着用している。
正直、こんなに閑散としてる状態に驚いた。コロナで観光客が激減してるとはいえ、こんなにいないのかと思った。
写真が趣味でも、ちょっと観光客でごった返してるところはあまり寄りつかないのはあるけど、ここまで人がいないのは想像してなかった。
あと雪の量だ。とても多い。この時期はほとんどないような気がした。
この五稜郭は江戸幕府最後の砦として有名だ。ここで死闘を繰り広げ、遂に幕府の時代は終わる。混乱の時代は終わり、今では幼稚園児の散歩コースになっている。
こんな時代をかつての人々は想像しただろうか。
残念ながらもう一歩踏み込んだ写真は撮れなかった。時間も30分しか余裕がなかったし、16〜55mmのズームレンズを使っていたので、どうもうまく写真も撮れない。やはり35mmf2.0の一本勝負でやれば良かったと思う。
もう一つやっぱり親指が動かないのも大きい。なんというかリズムが悪い。
そろそろ帰ろうと思ったら、向こうから幼稚園児が遊んでいる声が聞こえた。
一瞬、子供達の写真が撮りたいと思ったりしたが、踏みとどまる。歩き始めると回廊があった。
春には藤の花が咲き乱れる。ツルが螺旋状に伸びて絡みつき木のように大きくなる。
その成長段階とその美しい花を見て、かつての貴族は不老不死を願った。不死=藤となり、やがて藤原一族は旺盛を極めていく。
五稜郭の戦いで亡くなった人々を供養するために、藤の花に願いをこめたのだろう。
そのツルの一本一本、枝の一本一本は、天に向かって火花を放つかの如く、伸びていた。
その様子を撮ろうとしていると、向こうから子供の笑い声が聞こえてきた。