なにかの動物の足跡を追いかけて、その足跡が途絶えた後に、少し離れた丘の上の木を目指した。月が雲の中に隠れて暗くなったり、その雲から月のが出て明るくなったりする最中、息を切らしながらザクザクと歩いた。
15分くらいだろうか、雲の中で光をさえぎられていた月か顔を出すと、ようやく木のシルエットが雪原に映し出された。
2枚ほど写真を撮り少し見てると、また雲が出てその影は消えた。
家に着く前に月を見てふと下に目を向ける。自分の影が真っ白な雪の上に映っていた。
久しぶりに自分の影を見たような気がした。
また見えなくなる前に、家の中に入った。