写真、自然、音楽、科学、が趣味

生活の風景

音楽、写真、日常を切り取る感じで。

96.冬の一ページ

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納屋の方からドカドカという音が聞こえた。何事かと思って行ってみると、屋根から雪が崩れてくる音だった。

 

氷柱がかたむいていた。その氷柱の透明感に目を奪われる。本当に綺麗だと思った。仕事がおわったら写真を撮ろうと思い、戻った。

 

 

 


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倉庫の電気を全て消して、撮影した。少しノイズを入れてみた。

 


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撮った写真を見ながら、綺麗だなと思った。途端にチカラが抜けて動けなくなった。

 

もう少しここにいたい。氷柱を触り、先端のとがった部分を手のひらに刺した。

 

透明で美しい水の結晶体が、手の平にくいこみ、冷たさと痛みが伝わってくる。そしてそのまま氷柱を折ってしばらく触り、頬につけた。

 

心地よい冷たさがしみてきた。

ずっとこの透明な水の結晶体を頬に押しつけていたいが、それはできない。

 

ずっとここにいて氷柱を眺めていたいがそうはいかない。

一瞬だが、その事に気づけるだけまだマシだ。

 

 

立ち上がり、カメラ持ちながら歩く。雪は降り止まない。明日もまた雪だ。

折った氷柱をなるべく遠くに投げて、家に戻る。

風の音と雪を踏みしめる音は暗闇の中でも確かに聞こえていた。