写真、自然、音楽、科学、が趣味

生活の風景

音楽、写真、日常を切り取る感じで。

195.2月10日の夜

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昨日の夕方から夜は放射冷却現象で寒くなるだろうと思った。予想通りマイナス12℃の極寒の世界。

 

月が眩しく輝いていた。 

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オリオン座と月。そしておそらくキツネの足跡。氷点下の雪原を歩く。まずは足跡をたどる。

 


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キツネの足跡から離れてあてどなく歩いた。地球から4光年離れたオリオン座がゆっくりと見ていた。

社会では、家ではそれなりの存在として生きているが、この見渡す限りの雪原の下ではその存在は瞬く間に圧縮され、アリのように小さな存在だ。

 

 

二次元では、上空から見ると俺は真っ白な画用紙にちょっとした黒い点でしかない。

 

本当にちっぽけな存在だ。何一つ音のしない世界で月光で照らされた銀世界でただ1人。

どんな立ち振る舞いをしてもそこでは何の意味も持たない。しかし冷気によって頭の隅々まで酸素が供給されてクリアな意識が生まれてる状態では、その事実がとても心地良い。

 

とても心地良いのだ。

 

 


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ふと向こうを見ると犬がついてきた。おそらくキツネなどが頻繁に往来してるのを気にして外で寝ていたのだろう。

 


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時々、自然の中で農業をやっていると、土着的で人間らしい生活をしていると言われる事がある。

自給自足のイメージがあり、本来の人間はそうあるべきではないか、と思われているのだろう。俺はその考えに共感もするが、苦手でもある。

少なくともそんなつもりで農業はやっていない。

 

例えば昔の車も電気もない人の生活は旅や生活をするのも大変だった。天候や野盗に襲われる事もしばしばで、全てが命がけだった。

そんな人々が現代の人間の暮らしを見ると仰天して羨ましがるだろう。

 

では未来の人々から見ると現代人の暮らしはどうか。スターウォーズのように、宇宙を自由に移動できるようになっていたら、この地球だけで暮らしていたなんて信じられないと思うだろう。

宇宙はこんなに広く、多くの恒星があり様々な星で暮らせているのに、地球だけしか住処がないなんて有り得ないと思うのではないか。

 

かつての人間は、この地球だけに住んでいてこの地球の資源のみで自給自足していた、と考えると思う。

その時代、その時代で言葉の意味は変容する。自給自足という、たった四文字の漢字に人生と社会を集約させ、かつての世界と現代世界を比較してたった四文字熟語に、その言葉に執着してしまう。

 

言葉の背景に隠れている価値観はとても大事だが、その言葉に執着する必要はない。

 

 


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そんな事を考えていると、退屈そうに犬が座っていた。もっと遠くにいきたい。こんなところではなくもっと遠くへ。

 

 

 


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ここにいると、自分の人生が見える。ポツンといて、さまよい続けて倒れていく。あらゆる事象を見ながら認識の外側で見守って眠りについていく。

 

螺旋状の時間を振り切るために歩き、そして実はそこにい続けて見ている。

 

月がとても眩しかった。

 


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