倉庫の窓にコンパネ、板を当てていたのを取ると、不思議な景色が広がった。
何気にこのコンパネを取るのが楽しみだったりする。
屋根の切れ目のところから氷柱が垂れ下がり、それがとけて滑り落ちてわずかな空間にこのような世界が生まれる。
とけた氷が水滴となって雪の上に落ちて、逆の氷柱を作る。人間が逆立ちしてもできない世界がここにはあり、計算されて作られてない世界にしばらく魅入っていた。
この不思議な世界もやがてとけて水になり、風になり、世界を駆け巡りつつ、また雪となって姿を現す。
それはわかっているのだけど、不思議と実感が湧かない。手袋をぬいで氷に触れた。
それは冷たく体温を奪っていった。これが自然の大きな姿なのだろう。全てを奪っていく。その冷たさで、その循環作用で。
burialの新譜を聴きながら、少し世界を変えた。その音には途切れ途切れながらも光が差し込んでくる。
その両方の世界で歩き、漂っている。
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