夜の8時半にセットをする。地面に這いつくばって角度調整をした。
出来上がった写真を見て笑った。これでは何がなんだかわからない。なかなか曇り空の日々で星の写真はなかなか撮れなかった。実際にはこの日も曇り空でそこまで星が撮れていない。
バッテリーを変えて再度撮影をする。
水仙の花のモノクロ写真に失敗したので、できればもう一度撮りたかったが、同じような角度から撮っても仕方がないと思った。
そういえば家に水仙の入った花瓶があったなと思い、あれこれ思案した。
使ってない椅子を引っ張り出して花瓶を置く。
北極星の位置と花の位置を合わせて写真を撮る。
bulb設定をしてリモートレリーズのシャッターを押す。
気づくと犬がそばに寄ってきた。頭をなでて少し星空の下を散歩にしようと思った。犬は喜び先を歩いた。星の星座を当てながら彼らの軌道はどう動くのかを想像する。
その軌道は常に同じで、その真夜中の星々がどう動くか、その全体像を想像すると曲線が円を描いてるのがわかり、とても心がとても落ち着く。
明快に動く軌道ははずれる事はなく、常に一定である事が自分の心に落とし込まれて、それがクルクルと回ってとても落ち着いた気分になるのだ。
それは途切れる事がない。永遠に周り続ける。それが心に平穏をもたらせてくれる。
black cofeeのyou need meを聴きながら歩いた。
遠すぎず近すぎず、程よい距離感がたまらなく好きな曲だ。DJをやってる彼ならではのフロアとの理想的な距離感。
その曲は真夜中をより美しく魅せてくれる。程よい距離感で。心の中でメロディーと共に星々が弧を描きながら回り出した。