月が向こう側に消えた後、星が夜空を芽生えはじめた。
疲れていたが、オリオン座が暮れていくのを見ていたかった。pitchforkという音楽専門サイトで評価の高かったトムベルリンの音楽をヘッドフォンで聴く。
冷ややかな空気が支配しているこの周辺と、彼女の歌声と音楽はスッと入ってきた。
楽器の演奏はフォークでもあり、ジャズ的なアプローチもされている。アンビエントな電子音もメロディーに溶け込んでいて、とてもよく心地よい。
スタートレイルの設定をして少し歩きたくなった。丘を登ろうとすると犬がついてきた。
すぐに寝ようと思っていたのに、夜空の下を歩き続けた。私小説とも言うべき音楽が足どりに寄り添う。草地に座って星を見る。歌声が星の声のように聞こえてくる。カメラのところにいくとバッテリーが切れかかっていた。
明日はどんな朝になるのか。ふとそんな事を思いながら自宅に入った。